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小さな会社の社長を10年やってみて学んだこと

メディアコンテンツファクトリーの社長になって10年

メディアコンテンツファクトリー(MCF)は、私が創業した会社ではありません。
創業社長から、約10年ほど前に、もろもろの経緯があって、私が社長を引き受けることになりました。当時、社員・パート含め15人程度の小さな福岡の会社でした。

別に創業社長が私の縁故なわけでもなく、社員からしたら、ある日突然、知らない人が社長としてやってきたわけです。その時の私は、29歳。社員の半分以上が私より年上でした。

MCFは、1998年に創業した会社で、最初から医療向けのデジタルサイネージをやるために生まれた会社でした。

その当時は、当然デジタルサイネージなんて言葉もなくって、ブラウン管から薄型のディスプレイ(FPD: Flat Panel Display)が出始めた頃で、40インチで200万円とかする時代でした。

ごそごそやったら昔の会社パンフレットが出てきました。嘘くさい社内風景写真。時代を感じる(笑)

ニッチな商品ながら、FPDを売りたいディスプレイメーカーの協力とか、当時盛り上がっていた病院でのレンタルテレビ事業を手がけている会社の協力とか、もろもろあって7年くらいは、わりと順調に成長していました。

ところが、私が引き受けた頃のMCFは、今までのやり方が通用しなくなっていて、競合も増えて、でもサービスでも価格競争力でも優位性がなくなっていて、という状況。
順調に伸びていた契約件数も純減に転じ始めた、そんな頃でした。
そこから、10年。

よくわからないながらも、メディアコンテンツファクトリーを率いてきて、なんとかここ数年は業績も安定し、新しいことも出来るような体制になってきました。
新しいメンバーもだいぶ増えて、今や子会社も入れると70名近い人数になっています。

10年という区切りで、書いておかないと忘れそうなこともあり、知らない会社に突然来て10年社長をやってみて、学んだことを、少し書いておこうと思います。

面談が一番良いコミュニケーション手段

社長になって、でも知り合いもいないし、社内がどういう状況かもわからない中で、とりあえず全員と面談しました。

社員・パート問わず、短くても1時間、長いと数時間。

会社の本当の問題は何か、会社の活かすべき資産は何か、全員の面談を通して、随分、おしえてもらいました。意外と、会社に毎日数時間しかいないパートさんの方が冷静に見れていたりします。

面談は、上司にとっては、部下との最良のコミュニケーション手段だと思います。
誰に相談したら良いかわからないような悩み、ちょっとした不安、部門をまたいだ問題、何の根拠もないけどアイディアレベルのことなど。

普段のミーティングや飲み会の場では、なかなかそんな話はしてくれません。
ちゃんと時間を作って、密室でリラックスして話ができる環境で、初めてポロッとおしえてもらえたりします。

人数は増えたため頻度こそ減りましたが、今でも、全社員と必ず年1回(本当は年2回したい)は面談するようにしています。

最初の事務所では、密室の会議室がなくって、よく隣のファミレスで延々面談していました。
あの時のファミレスの従業員のみなさま、ごめんなさい。

不満がある人間は責任者向き

不満の多い人間って自分のやりたいこと(やりたい方法)があったりするので、責任者に据えると自分の頭で考えて動こうとしますし、やはり人は自分の頭で考えた方法で失敗してみて、初めて何かを学ぶものだと思います。

当時からいるメンバー。昔はブツブツ文句言ってましたが(笑)、いまや本部長。

そうやって、試行錯誤をして何かを学んだ人達は、会社の戦略への理解度が一段上がるよう気がします。

もちろん、不満の方向性にもよりますが、正しい不満、言っていることに筋は通っているけど、物事はそんなシンプルじゃないんだよ、という事に対しては、思い切って責任者やらせてみちゃうのが一番だなと思っています。

ちなみに、責任者、といっても別に部門とか正式な組織のマネジメントである必要はなく、何かちょっとしたプロジェクト(たとえば、新しい会社WEBサイト作るよ、的な)のリーダーとかでも構いません。とにかく、何か責任のあるポジションにつかせる。

MCFの今の中堅幹も、みんな最初の頃は、ブツブツあらゆることに文句を言っていた連中が、いまは幹部になって部下を持ち、今度はブツブツ文句を言う部下をなだめているのを見ると、微笑ましいものがあります。

悩みはとにかく共有しておく

自分(社長)が何に悩んでいるのか、何が不安なのかを、わりと率直に社員だれかれ構わず相談?しておくことにしてます。
最初は、単に誰かに聞いて欲しいだけだったんですが、今では、意識的に社長の悩みを色んな人にわざと話すようにしています。

社長の悩みって、正解の無い事だったりしますよね。決断してみないとわからない、的な。
そういう悩みを共有しておくと、悩み自体が解決するわけではないけど(その悩みは結局自分が決断しないといけないので)、それ以外のことを自分の見えないところでサポートしてくれたりします。

きっと、社長の頭の中の優先順位が見えるから、自分が、今、何を組織の中でするべきなのか、なんとなくわかるんだと思うんです。

いろんなところで、いろんなメンバーに本当に助けられました。

焦って動くと、ろくなことにならない

業績が落ちていってる時って、何かやらないと、という焦りがあります。
自分ひとりでもなんとかしようと、焦って動いたことって、その後たいした収益にもならないくせに、メンバーを引きずり回して、結局数年経つと、アレってなんだったっけ、ということが多い気がします。

「やれることがあれば、なんでもやる」、ではなく、「ちゃんと考えて、良いアイディアがない時はじっと我慢する」ことを学びました。

妥協したことは、後で必ず借金を返すことになる

上の事とも絡むんですが、仕事や決断で何かを妥協した時って、その時は上手く切り抜けたつもりでも、結局、後で利子付きの借金を返さないといけない時は必ず来るな、ということを嫌というほど味わいました。

でも、決断する時って、スピードの問題とかで妥協せざるを得ない時って往々にしてあるので、妥協しちゃダメってことではなくて、妥協したことを認識しておいて、早めに借金返しちゃう(問題が起きる前にあるべき方向性に修正しちゃう)ことを意識することが大切だなと思っています

なんかこうやって書いてみると、別にたいした事学んでないな、と思ってしまいました。
でも、自分の中では10年という歳月・経験を経て、頭ではなんとなく理解していたつもりになっていたことが、腹落ちして、実践できるようになった、ということなんだと思います。

いま、人数も増えて、ここ数年いろいろマネジメントの悩みも変わってきたので、その話は、またおいおい書いていきたいと思います。