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会社がマネージャーに求めること

バスケで目を怪我したんですが、放置してたら結局手術することになり入院しました。人生初めての入院ですが、入院してみたらWifiは快適だし、ベッドの上で仕事できるし、看護師さんみんな優しいし、お酒も飲まないから元気が有り余ってます。

病室のベッドからブログ書いてます。

MCFは、今期新たに5名のメンバーがマネージャーに昇格しました。ここ数年人も増えてきたこともあってマネジメント人材が不足していたのですが、今までは「とりあえずやらせてみる」という崖から信を突き落とす王騎のごとき教育方法(知らない人はキングダム読んでね)でしたが、まぁ当然のごとくそれで難なくこなせるヤツなんて一握りなわけです。

新しくマネージャーになった人には「マネジメント側」を期待しているわけで、会社としてマネジメントに何を期待するのかちゃんと伝える場があったほうが良いだろうと、今回は新マネージャー研修を行う運びとなりました。

研修は私含め各本部長でそれぞれパートを受け持ちました。先日うちのマーケ本部長が「上司マネジメントのススメ」というテーマで行った研修内容をnoteに書いたので、私も入院中の暇な時間を使って私が担当したパートを紹介したいと思います。

マーケ本部長の書いた研修内容のnote

今回私が担当したテーマは「会社がマネージャーに求めること」です。社長として、マネージャーにどんな視座で仕事をしてほしいか、どんなことを気をつけてほしいかについて、2時間ぐらいの研修にまとめて話をしましたので、その内容の一部を紹介できれば。中小規模・ベンチャーの社長で、中堅層の育成の参考になれば幸いです。

マネージャーの仕事とは何か

昔と違ってマネージャーになったからと言って現場から離れて100%マネジメント業務だけ、という人は多くないはずです。小さい会社ならなおさらプレイングマネージャーがずっと続きますし、うちの会社なんて社長はじめ本部長ですら全員がプレイヤーでもあります。

そうすると、マネージャーになったからと言ってあまりやっている仕事に変化がない気がしてしまうのですが、会社としてその人をマネージャーに任命するのは「意識をしてほしい」からだと思っています。

マネージャーのアウトプット

まず、マネージャーに一番意識してほしいのは「マネージャーのアウトプット(仕事の結果)とはなにか」についてです。

組織で仕事をしている以上、仕事はチームで行うものです。マネージャーとは自分の仕事の成果ではなく、自分のチーム・更には影響が及ぶ隣接組織のアウトプット自体がマネージャーのアウトプットとなります。
 
マネージャーは、アウトプットに影響を与えるために、一連のいろいろな活動に従事し、チームのアウトプットが最もあがると思われる活動に従事しなければいけません。
実はここが一番誤解されがちなところで、マネージャーに「あなたの仕事の成果はなんですか?」と聞くと、自分がやったこと(タスク)を上げがちです。マネージャーはあくまで自身の影響範囲のチーム全体のアウトプットにより評価をされるべき存在です。

マネージャーが選ぶべき重要な仕事

では、チームのアウトプットを最大限にあげるために、マネージャーが行うべき重要な仕事は何でしょうか。それは、「もっともレバレッジの効くと思われる仕事を自分の時間が許す範囲で順番にこなしていく」です。

レバレッジ効果に関係する要素としては、影響を与える人数や時間、影響を受けた人が生み出すアウトプットの増加量、などがあります。これらのことを考慮しながら、もっとも組織のアウトプットを最大化するために自分が何をするべきかを適切に選べる人が良いマネージャーと言えるかと思います。

適切なKPIを設定する

チームをうまく運営していくために、適切な計測指標(インディケーター)が必要です。KPIとか、業績評価指標とか、いろんな呼び方をされますが、基本的に「何の数値を計測すれば物事がうまく進んでいるのか、あるいは問題があるのかがわかる」数値です。

私の感覚でも良いマネージャーは、このインディケーターを作るのがうまいです。上手なKPIを設定するためのコツをいくつか書き出してみました。

他にも、たとえば、なるべく結果指標ではなくプロセス指標(前工程指標)で測ったほうが影響範囲が小さいうちに改善できる、とか、いろんなコツがありますが、KPIを設定し運用する、ということがマネージャーの大切な仕事の一つであることは意識しておいたほうが良いと思っています。

プランニングと決断

基本的に組織の上に行けば行くほど、プランニングと決断を行う範囲が増えます。この仕事が結構曲者で、訓練が必要な業務の一つだと思っています。
プランニングは基本のステップというものがあり、必ずこの3ステップだと思っています。
 
特に大事なのは、1番最初の「環境が求めることを知る」ことで、ここをすっ飛ばして考え始めてしまう人が非常に多い感覚です。
 
例えば、「チームの営業成績をもっと上げるにはどうしたらいいか」という問いに対して、いきなり「活動量を増やすべきだと思います」と言い出す人が一定層います。これは、前提条件として「活動量が営業成果と相関関係がある(環境因子)」場合においてのみ有効で、そもそも製品がニーズにマッチしていない、市場環境が大きく変化して陳腐化している、などの場合に、優先順位が高い選択肢ではありません。
 
このように、物事の成功確率は環境によって大きく異なるのに、あくまで教科書的・過去の経験からプランニングしてしまうことが多いです。必ず「環境が求めること」から考える癖をつけましょう。
 

 
あと、決断とは「何かを選ぶこと」だと思うのではなく、「何を捨てるか」を考えたほうがいいよ、って話を良くします。行動経済学で言うところの損失回避と同じで、何を捨てるかを選ぶときのほうがしっかり考えて覚悟を持って決断できると思います。

リーダーシップを育てる

マネージャーはもちろん自分がリーダシップを発揮するだけでなく、メンバーのリーダシップを引き出すことも大切なマネジメントの役割だと思っています。
 
日本語でリーダーシップというと、リーダー一人が持っておけばよいイメージを持たれがちですが、リーダーシップとは「主体性」だと思っています。理想的な組織としてはメンバー隅々まで組織がやろうとしていることに主体性を持って取り組める組織が良い組織だと思うので、メンバーのリーダーシップをどうやって育ててあげるか、というのも重要なテーマなんじゃないかなと思うわけです。

いちばん大切なのはミッション・バリューの浸透

とはいえ、マネージャーとプレイヤーで一番大きな違いは「会社側の人間になったよ」ということじゃないかなと思います。プレイヤーの間は「自分の成長・自分のスキル」を磨いてほしいですが、マネジメントは「会社のこと」を考えないといけません。
そのために会社の方向性、ミッションとかバリューをちゃんと狂いなく下のものに伝えることが、マネージャーにとっての最も大切な仕事な気がします。

まとめ

今回は、新任マネージャー5名と昨年マネージャーになった2名をあわせて7名を対象としたマネージャー研修を行いました。

いままでこんなしっかりとマネージャー研修をやったこともなく、もっと言えば、本部長4人とも誰も「マネージャーかくあるべき」とも教わってこずに崖から蹴り落とされて育ってきた野武士組。

私も今回の研修をやろうといい出してから、何をマネージャーに考えてほしいのか、知ってほしいのか改めてじっくり考える良い機会になりました。偉そうに書いていますが、基本的には、自分が野武士として色々と失敗しながら学んだことのすべてが、ちゃんと言葉として書籍には書いてあって、そういった名著を読むことで自分の骨格が出来上がったんだなと感じています。

参考書籍:HIGH OUTPUT MANAMENT (アンドリューグローブ)

今回研修内容を作るにあたって参考(というかほぼ全て)にしたのはこちらです。

インテル元CEOが書いた本。マネジメントとは科学なんだな、ということを細かいところまで突き詰めている本で今回の研修の大きな骨子にさせてもらいました。マネジメントを題材にするとどうしてもハイマネジメント(経営層)を題材にした物が多いのですが、この本は会社を実質動かすミドルマネジメントにフォーカスを当てた解説書に近いのでかなり実践的だと思います。

■ ■ ■

今回の研修がどの程度の意味があったのかは、今回研修を受けた新任マネージャーがどう育つか次第だと思っています。

言い出したはいいものの、研修内容を作るのに私を含めた本部長全員ヒーヒー言いながら土日にこそこそ資料を作るはめになったんですが、やってみると研修を作る側が圧倒的に勉強になるよなと改めて感じました。

うちの会社は、わりと研修を内製でやることが多いのですが、やっぱり内部の手作りだからこそ伝えられる部分も大きいんじゃないかなと思ってます。特に普段仕事に忙殺されると、座学的・理論的な部分がおろそかになりがちなので、そのあたりの研修なんかをやっていけるといいなーと思ったりしてます。

そろそろシャワーの時間だと看護師に呼ばれたので、今日はこんなところで。

研修終わりに珍しく集合写真撮った